【落葉樹と常緑樹の違い】シンボルツリーにするならどちらがいい?

エクステリア&ガーデンデザイナー ふじさき かなこです。

落葉樹(らくようじゅ)と常緑樹(じょうりょくじゅ)という言葉を聞いたことがありますか?外構・お庭をつくる時、この違いがわかっていることはとても大事。手入れがしやすく、おしゃれな外構・お庭にするために植物の基本を確認しておきましょう。

落葉樹(らくようじゅ)とは

落葉樹とは漢字を見るとわかるように、 「冬になると葉を落とす木」のことです。晩秋から落葉を始め、冬には枝だけになります。さわやかで明るい雰囲気で紅葉も楽しめます。ナチュラルガーデンによく似合います。

下に落葉樹の庭木としてのメリット・デメリットをまとめました。

≪ メリット ≫

  • 花が美しい種類が多い
  • 葉が明るい色のものが多くさわやかな印象
  • 紅葉が美しい
  • 季節感がある

≪ デメリット ≫

  • 葉が落ちるので掃除が大変
  • 夏の暑さや乾燥に弱い種類が多い
  • 成長が早いものが多い

常緑樹(じょうりょくじゅ)とは

常緑樹とは、冬に葉を落とさず 「一年中緑の葉を茂らせる木」のことです。どっしりとした重厚感がある木が多いです。目隠しに使うこともできます。

※常緑樹とは葉を落とさない木ではありません。落葉樹のように晩秋にまとめて落とさないだけで、新芽の時期には古い葉を落とします。

下に常緑樹の庭木としてのメリット・デメリットをまとめました。

≪ メリット ≫

  • 葉を一度に落とさないので比較的掃除が楽
  • 暑さ・乾燥に比較的強い
  • 常に葉があるので目隠しに使える
  • 成長が遅いものが多い

≪ デメリット ≫

  • 葉の色が暗く密になるので、やや重たい印象
  • やや寒さに弱い

シンボルツリーにはどちらが適しているか

シンボルツリーとは、庭や外構のメインになるような樹木のことです。 1本大きめの木を植えるだけでも家全体が華やかに見えますし、家族とともに成長していく木が住まいの象徴にもなります。

そんなシンボルツリーですが、落葉樹と常緑樹、どちらを選ぶのが良いのでしょうか。 実はこれには正解がありません。お住まいの地域や環境によって大きく左右されてくるので、状況により判断する必要があります。

せっかく植えたシンボルツリーが1年も経たないうちに枯れてしまったら悲しいですよね。安易に建物のデザインに合わせて、南欧風だからオリーブとか、モダン住宅だから雑木を合わせてとか、そういうわけにはいかないのです。 そのためには、できるだけ植物に詳しいデザイナーか植木屋さんに直接相談するようにしてみてください。

とは言え、おおまかな傾向は次のように覚えておくと良いと思います。

落葉樹は半日陰の涼しい場所に、常緑樹は日当たりの良い場所に

落葉樹はもともと冬に寒くなる地域の植物です。夏の暑さにはあまり強くありません。特に最近の夏の酷暑はかなり厳しい環境。今まで大丈夫だった地域でもこの暑さが続くと厳しいのではないかしら・・・と心配になります。暑さだけでなく乾燥にも弱いので、夏の時期弱っている様子であれば、朝涼しい時間のうちにお水をあげるなどの対策も必要です。

常緑樹は南の暖かい地域の植物です。比較的暑さ・乾燥には強いのですが、冬の冷たい北風で枯れてしまうこともあるので寒い地域の場合は注意が必要です。

南関東でおススメのシンボルツリー

以上をふまえまして、私が南関東でおススメできるシンボルツリーを3種類ご紹介します。

なぜ南関東か?というと、私自身が神奈川県在住で仕事をしているからです。よく人気のシンボルツリー○○選という記事を見かけますが、地域がわからないとなんとも言えないよなあ・・・といつも思っています。九州と東北じゃ、全然おススメの樹種が違うと思うんですよね。

最近の南関東はとても暑い!そして敷地に余裕がない家が多いので、 暑さに強く成長がゆっくりで、虫がつきにくい樹種を3つご紹介したいと思います。

常緑ヤマボウシ「月光」

常緑ヤマボウシ「月光」

常緑のヤマボウシです。ヤマボウシというと普通は落葉樹なのですが、こちらは常緑。そのなかでも「月光」という種類が花付きがよくおススメです。

<<特徴>>

  • 常緑(寒い地域では若干落葉する)
  • 6月頃に白~淡いグリーンの花をたくさん咲かせる
  • 実は赤く熟したら食べられる(食べたことはないです。美味しいのかな?)
  • 成長はやや早い。毎年冬に剪定が必要
  • 暑さに強い
  • 乾燥に強い
  • 樹形はあまり美しくない

ソヨゴ

こちらも常緑樹です。かわいらしい赤い実が付いて鳥が食べにきます。ただし、雌雄異株といって雄と雌があり実をつけるのは雌だけです。雄株が離れすぎていると実が付かないことがあるので、必ず実をつける場合は両方植える必要があります。

常緑樹ですが寒さにも風にも強く、暑さにも強い頑健な樹木です。大きくなる木なのですが、成長が遅いのできちんと手入れをしていれば大きくなりすぎることはありません。

<<特徴>>

  • 常緑樹
  • 赤い実がなる(雌株のみ)
  • 成長が遅い
  • 暑さに強い
  • 寒さに強い
  • 強風に耐える
  • 樹形が美しく整いやすい

フェイジョア

こちらも常緑樹になります。食べられる実がつきます。ただ実を収穫するためには、受粉のため2本以上植える必要があります。品種によっては1本でも実がなるものがあるので、よく確認してください。

あまり大きくならないので、2m前後で管理することができます。都市部のあまり広くない家向けです。

<<特徴>>

  • 常緑樹
  • 日当たりを好む、暑さに強い
  • 寒さにはやや弱い
  • 食べられる実が付く
  • 南国風の花が個性的

落葉樹と常緑樹の違い まとめ

落葉樹と常緑樹の違いをおさらいしておきましょう。

落葉樹・・・ナチュラルで涼しげな雰囲気が魅力、花が美しい、暑さ・乾燥に弱い

常緑樹・・・1年を通して緑が美しい、目隠しに向く、暑さに強い

両方をうまく組合わせて、素敵なお庭をつくってみてください。

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