こんにちは。エクステリア&ガーデンデザイナー ふじさき かなこです。
今回は外構の階段と手すりについて解説します。 実は外構の階段というのは、室内以上に安全に気を使わなければいけない所。
なぜかというと、昼はまぶしく夜は暗いため踏み外しやすい、雨が降ると滑りやすい、転んだ時室内よりも怪我をしやすいからです。
Contents
安全な階段計画に必要なこと
安全な外構の階段計画をするためには、次の7つのポイントに気をつける必要があります。
- ゆるやかな階段にする
- 途中で蹴上げの高さを変えない
- すべりにくい素材を選ぶ
- 視認性の高い素材を選ぶ
- まわり階段は極力避ける
- てすりをつける
- 照明をつける
1:ゆるやかな階段にする
まずひとつめのポイントは、「ゆるやかな階段にする」ということです。
小さい子供やお年寄りは足が上がりにくいので、段差がキツイとのぼるのに苦労します。なるべくゆるやかな角度になるように計画しましょう。
一般的な階段は下の図のようなサイズになります。
垂直方向を蹴上げ(けあげ)、水平方向を踏み面(ふみづら)と言います。通常は蹴上げ15~20cm、踏み面30cmで計画します。階段の角度をゆるくしたい場合は、蹴上げを小さくし、踏み面を広く取ります。
具体的に想像しにくいと思いますので、 公共施設や商業施設であがりやすい階段があったら、寸法を測っておくと目安になります。ちょっと怪しいですけどね・・・。
2:途中で蹴上げの高さを変えない
2つめのポイントは「途中で蹴上げの高さを変えない」ということです。次の図を見てください。
これはつまずく原因になりとても危ないです。どうしても途中で角度を変えなければいけない時は、次のように途中で踊り場(おどりば)を設けるようにしましょう。
3:すべりにくい素材を選ぶ
3つめのポイントは「すべりにくい素材を選ぶ」です。
外構の階段は、雨にぬれた時のすべりにくさがとても大切です。表面がツルッとしている素材はすべりやすいので、ザラザラ・ゴツゴツしているものを選ぶと良いです。
タイル階段
一番多いのはタイルで仕上げる階段ですね。その場合は次のことに注意しましょう。
- 必ず外床用のタイルを選ぶ
- 階段用すべりどめタイルを選ぶ
タイルカタログを見ると、必ず次のように使用可能場所が書いてあります。
屋内壁○、屋内床○、浴室壁×、浴室床×、屋外壁×、屋外床×
これは屋内の壁と床には使えるけれど、浴室や屋外では使えないタイルということになります。 外構階段に使う場合は、屋外床○になっているタイルを選んでください。
また、階段用のすべり止めタイルというものがあります。
溝が掘ってあり、すべりにくくなっています。ただし、高価なのでお値段と相談です・・・。
その他おすすめの素材
その他、外構階段におススメの素材は、ゴツゴツした骨材のコンクリート洗い出し、ザラザラしたレンガ、ザラザラした石材です。
洗い出しとは「セメントが硬化する前に表面を水洗いして、骨材の小石を浮き立たせたもの」です。小石が表面に出てくるので、ザラザラしてすべりにくくなります。
こちらの階段は、踏み面を「洗い出し」、蹴上げを「ピンコロ石」で仕上げた階段です。色合わせ次第でどんなデザインにも合う、おすすめの組み合わせです。
こちらはレンガで仕上げた階段。時が経つと風合いが出てきてしっとりした雰囲気になります。植物との相性もGOOD。
4:視認性の高い素材を選ぶ
意外と盲点なのが、「視認性の高い素材を選ぶ」というポイントです。 外は思っている以上に日差しが強く「まぶしい」、夜は「暗い」です。
人が階段で怪我をするのは、踏み外して落ちる時が多い!段差がどこにあるかのかはっきりわかる、ということがとても重要です。
こちらの階段を見てください。
真っ白なタイルでおしゃれですね。今っぽくかっこいい雰囲気です。でも角度を変えて上から見てみると・・・
う~ん、段差がどこにあるのかとてもわかりづらいですね。
さらに、真夏の直射日光が当たるとこんな感じに。
まぶしくて、段差が見えない!!!
白いタイルはかっこいいのですが、とても視認性が悪いのです。年を重ねてくると、まぶしさに弱くなるというデータがあります。若い時は平気でも、年齢が上がるにつれ白い階段は危険が増していくのです。
では黒い階段だったらいいのか?というと?
やっぱり視認性が悪い。どこが段差なのかわかりづらいです。
黒い階段は暗めの居酒屋を想像していただくとわかりやすいです。ダークな木目調やタイルの階段がある居酒屋って多くないですか?あれは、ライティングしているから大丈夫なんですね。一般住宅でマネすると暗くて危ないのでご注意を。
では、どうしたら段差を目立たせることができるのか。一番いいのはこのように色を変えてあげることです。
どこに段差があるのかわかりやすくなりました。
階段・てすり その2に続く・・・
だいぶ長くなってきましたので、記事を分けます。
その2に続きます・・・。
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