こんにちは。エクステリア&ガーデンデザイナーふじさき かなこです。
家を建てたら必要になる駐車場。コンクリートで造るケースが多いですが、こういう目地を見たことはありませんか?これは何なんでしょうか。
実はこの目地、コンクリートの「ひびわれ」を防ぐためのものなんです。でも、ただ入れただけだと無骨な感じ・・・。うまく使っておしゃれな車庫デザインにしましょう。
コンクリートはひび割れやすい
まずコンクリートの基礎知識を確認です。
コンクリートってとてもひび割れやすい材料なのはご存知ですか?
硬くてちょっとやそっとでは壊れないイメージのコンクリートですが、様々な原因によってひび割れが生じます。
詳しくはこちらのサイトに詳細の解説がありましたので、興味がある方は読んでみてください。
駐車場やアプローチに入れる目地
一般的に住宅の駐車場やアプローチでは、ひび割れを避けるため「3~4m、12~15㎡に1本」目地を入れます。(法律で決められているわけではありません。あくまで目安です。)コンクリートは気温変化によって膨張したり縮んだり体積が変わります。その体積変化を目地で吸収するためです。
こんな風に入れていきます。
目地をとにかく入れればいいかというとそうでもありません。細かく入れすぎるとコンクリートが動いてしまうことがあるので、適切な間隔で配置していきます。
特に割れやすいところ
特に割れやすいところは次のような場所です。
コーナー部分や、マンホール・水道メーターなどの設備まわりです。鋭角すぎる角などは欠けやすくなります。
これを避けるためにこのように目地を入れます。
マンホール部分を化粧するのは費用も手間もかかるので、しない場合が多くあります。仕方ないと諦めるといいますか・・・。
これらの予防処置をしても、表面的なヘアークラック(髪の毛ほどの細さの細かいひび)は起きてしまいます。ヘアークラックはコンクリートの強度には影響ありませんので、神経質になりすぎないようにしましょう。
目地の種類
アスファルト・樹脂などでできた目地材
はじめに出てきたこちらの写真のような、アスファルト・樹脂などでできた目地材(商品名:エラスタイト、エキスパンタイ)です。最も安価です。色は黒が一般的ですが、グレーやカラー目地もあります。
この目地、おしゃれな雰囲気は出しにくいのですが、面白い使い方をしている場所があります。
それは「東京ディズニーシー」!!
ディズニーシーの床は、かなりの面積が色つきのコンクリートです。コンクリートなので目地を入れる必要があるのですが、そこはディズニー。目地ですらもデザインにしてしまっているんです。ディズニーシーに行ったら、是非床に注目してみてください。住宅に応用できそうなデザインがいっぱいですよ。
こういう場所はやっぱりひび割れが出てしまっています。先ほどのひび割れやすい例の「コーナー部分」ですね。でも雰囲気には合っている・・・?
草・砂利目地
コンクリートに70mm~100mm程度のスリットをつくり、そこに植物や砂利を入れる方法です。デザインのアクセントになり、ナチュラルな雰囲気が出ます。黒や白い砂利を使うとモダンな雰囲気も出ます。
ピンコロ・レンガ
ピンコロ(90角の石)で目地を入れる方法もあります。石の色によっていろいろな表情が出せるところが魅力です。自由な形で入れられるので変化が付けられます。
こんな感じで曲線もつくれます。デザインの幅が広がりますね。
レンガで目地をつけると優しい表情になります。
目地まとめ
目地は単なるデザインではなく、コンクリートのひび割れを防止するためのものでした。でもせっかくならおしゃれな雰囲気にしたいですね。
全体の雰囲気にあわせて素材を選び、適切な位置に入れることによって、耐久性をあげデザイン的にもよくなります。何となく入れるのではなく、考えて使ってあげることで効果を倍にもすることができるんですよ。
素敵な車庫デザインができますように。