【一番多い外構トラブル】隣地との境界線問題

こんにちは。エクステリア&ガーデンデザイナー ふじさきかなこです。

今回は外構のトラブルで一番多い問題、「隣地との境界線」について解説します。新築で土地を買うとき、お隣との境界で気になるところがあるけれど穏便に済ませたいからとそのままにしていませんか?家を建てた後、ここお隣にどうにかしてほしいなあ・・・と思っている場所がありませんか?

境界問題はできるだけ早い段階できちんと処理をしておくことが一番大事です。面倒だからとお隣との話し合いを避けていると、後々トラブルで胃が痛くなる思いをしたり、追加で何十万も支払う事になりかねません。

最も避けたい形 芯積みブロック

最も避けたい形、それは芯積み(しんづみ)のブロックです。芯積みとは境界線の上にブロックを積んで、両者の共有財産にすること。

下の図を見てください。

芯積みブロックとは

境界線を中心に、両家にブロックを振り分けて積みます。費用は両家で折半することが多いです。

これの何がいけないのでしょうか?

それは改修したい時、自分の判断だけではさわれないこと。

こうした芯積みブロックを造る場合、お隣との関係が良好なことが多いでしょう。でもその人が引っ越してしまったら?何かの事情で関係が悪化したら・・・?お隣の財政事情が極端に悪化したら?家が売却されてしまったら?

関係が悪い人とお金の話をする事ほど苦痛なことはありません。改修費用を全額押し付けられる、話し合いに応じてくれない、いろいろなトラブルが考えられます。どうしても改修したい場合は裁判を起こす必要があることも。ブロック改修費用だけでなく裁判費用がかさみます。

境界ブロックのセオリー

次に境界ブロックをつくるセオリーについて確認しておきましょう。これは法律で決められていることではなく業界内での慣例ですのでご注意ください。

①高低差がある場合

まず一番わかりやすい例、高低差がある場合です。高い側の敷地内に土留めブロックを施工します。

②高低差がない場合

次に高低差がない場合。土地分譲などで、お隣が空き地の状態で家を建てる場合です。

これは先に建てた方が造ります。

この時お隣もすぐ建ちそうだし、芯積みにして費用を折半にしようと考えてはいけません。もしかしたら不動産屋や建築会社がそのように勧めてくるかもしれませんが、断って自分の家側に造りましょう。もしくは隣が建つのを待って、どちら側の家にブロック・フェンスを造るかを相談して決めてください。

でも自分の家側に造ってしまった方が気楽ではないですか?隣に任せたらどんなものを造られるかわかりませんよね?

③高低差があり、隣が空き地の場合

最後に高低差があり、隣が空き地の場合です。自分の敷地側が高い場合は、「①高低差がある場合」に書いたように自分の敷地側に土留めを造りましょう。

もしも、隣地の方が高くて空き地だったらどうするか。これは少し難しい問題です。

いくつか方法が考えられます。

1.隣の家が建つのを待つ

あまり高低差がなく(1m未満)すぐに隣が建ちそうであれば、待つのをお勧めします。この時土地を買った不動産屋に、隣地の土留めは隣地側に造ってもらえるのですよね?と確認しておくと安心です。

2.不動産屋に土留めを造成するよう要望する

雨が降ると土砂や水が流れてくるなど不便があり、なかなか隣地が売れなさそうな場合。これは販売している不動産屋に土留めを造作してくれるようお願いしましょう。1m以上の高低差がある場合は、あらかじめ造成されて土地が販売されることがほとんどだとは思いますが、1棟売りの場合はそうでないこともあります。

どちらにしても隣地が造るべき土留めなので、売れる前に不動産屋に交渉した方が早いです。また個人と交渉するよりも、販売業者と交渉した方が話が早いです。

3.自分の敷地側に造ってしまう

高低差が20~30cm程度なら自分の敷地側に造ってしまうのも手です。ただこれもトラブルの元になるので、あまりお勧めはしません。

実例で考えてみましょう

あなたが右側の土地を買おうと考えています。左側の土地との境界線には「芯積みのブロック塀」が立っています。そしてこのブロック塀はかなり古く控え壁がないもので、違法かつ危険なブロック塀です。

危険なブロック塀についてはこちらをご覧ください。

【危ないブロック塀の見分け方】大阪地震の悲劇を繰り返さないために

まずこのブロック塀は違法で危険な状態なので、このままにしておいてはいけません。建物を建てる前に隣地に改修の交渉を行います。

解決すべき点は下記です。

  • 芯積みであること

やはり芯積みであることを解消したいです。そこで隣地に持ちかけるのは、撤去費用を折半で、新設費用はこちら持ちで改修を行えませんか?ということです。できれば自分の敷地内に新設したいところですが、それはお隣との交渉次第です。もし撤去費用折半に応じてもらえなかった場合、撤去費用もこちら持ちにしても良いと思います。そのくらい芯積みブロックという状態は解消したい状態です。

  • 控え壁なし7段以上の違法な壁であること

大阪地震で違法なブロック塀が倒れ通学途中の女の子が亡くなった痛ましい事故がありました。あのような違法なブロック塀というのは全国いたるところにあります。特に隣地との境界に古くて違法なブロック塀が残されていることが多いです。

撤去して新設が一番望ましいですが、まずは違法状態を脱することを考えましょう。このブロックの場合、上2段を撤去すれば違法状態ではなくなります。是非交渉してください。

このブロック塀を放置したまま、家を建ててしまうと・・・。

古くて見栄えが悪い、違法で危険、芯積みを放置したままなのでトラブルの種を残すことに。このような状態でせっかく建てた新築に住みたいですか?

改修すればすっきりですよ。

隣地との境界問題まとめ

隣地との境界問題はできるだけはじめに解消しておくのが大事です。住んでしばらくしてからだと、個人間で話し合いをしなければなりませんが、一番最初であれば不動産屋や建築会社が間に入ってくれます。こうした人達はこの手のトラブルに慣れていますので、有利に進める話の持って行き方、慣例などよく知っています。

後から胃の痛い思いをしないために、嫌なことは最初に手をつけてすっきりした気分で新築での生活をスタートさせましょう!

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