2018国際バラとガーデニングショウ ガーデンコンテスト16作品レポ

子供が運動会のかけっこで1位を取り、今夜はお祝いで焼肉!エクステリア&ガーデンデザイナーふじさきかなこです。

今年も埼玉県西武ドームで「国際バラとガーデニングショウ」が開催されています。私は初日の金曜日に行ってきました。

国際バラとガーデニングショウとは、世界中の美しいバラと夢のあるショウガーデンを紹介する国内最大規模のイベントです。毎年5月に開催されていて、今回で20回目になりました。

会場は次のようなブースで構成されています。

  • 有名ガーデンデザイナーによるコンセプトガーデンの提案
  • 人気ガーデナーによるワークショップ、セミナー
  • 世界のナーセリー達が紹介する新種のバラたちの展示
  • ガーデングッズ、苗のマーケット
  • ガーデンコンテスト

この中で私が一番興味があるのが「ガーデンコンテスト」。全国トップクラスのデザイナーさん達が集まり、全力でガーデンを競い合う。そんな作品を見るととても勉強になります。自分とのレベルの差にがっくり落ち込んで帰ってくることもありますが、私にはパースがある!と自分で慰めています・・・。

関連記事「リックパースコンテスト2018【ガーデン部門優秀賞】受賞!」

今回はコンテストガーデンの中でも、一番大きいサイズの「ホームガーデン」全16ガーデンをご紹介します。

大賞 おだやかに暮らす~庭とともに~

ガーデンコンテスト大賞は 「Radiant Green Garden+株式会社貝塚造園+Green Calm House」の「おだやかに暮らす~庭とともに~」です。大賞は全てのガーデンの中で一番素晴らしかった作品に与えられます。

コンセプト

四季を感じ、風を感じ、香りを感じる庭。時が経っても忘れずに思い出すのは、この庭でおだやかに過ごしたみんなでの時間。

THEバラとガーデニングショーというロマンチックでエレガントな作品です。大賞受賞は納得。

こちらの作品の何が凄かったかというと、世界観が小物にいたるまで統一されていたこと。植物は新緑を思わせる明るいグリーンとホワイトの花で統一されていて、ホワイトガーデンのお手本のよう。シャビーな小屋やフェンス、テーブルの木材のカラーと樹木の幹肌、敷石の色・テクスチャー、どこを切り取っても調和しています。

写真では伝わらないのですが、高木のバランスも素晴らしかったです。中央のシンボルツリーはハウチワカエデ。あちこちから、あの木素敵ね、という声が聞こえていました。

コンセプトとしては特別新しい訳ではないと思うのですが、トレンドの取り入れ方、全てが完璧なクオリティで圧倒的な存在感でした。本当に素晴らしかったです。

Radiant Green Garden 山形県 デザイナー青木真理子さん

株式会社 貝塚造園 神奈川県

Green Calm House 宮城県

最優秀賞 From the cradle to ~庭と生きる人生~

次はそれぞれのカテゴリーで1作品が選ばれる最優秀賞。 「相模庭苑株式会社」の「From the cradle to ~庭と生きる人生~」です。

コンセプト

生まれた時から老いていくまで、生涯に寄り添う場所。小さな花々や木々に癒され、老若男女問わず、最高の時を過ごしてほしい。

入ってすぐの位置にあり、大勢のお客さんに取り囲まれていました。なので、引いた写真が撮れなかった・・・。全体で観るともっと素晴らしいです。

 

かわいらしい小屋が主役で、それを取り囲むようにブランコやゲート、花壇が配置されていました。植栽がとてもボリューミーだったのですが、ちっともうるさくなく、ショウガーデンらしく華やかにまとまっていました。細部まで丁寧に造りこまれていて、ため息でした。屋根が可愛かったな。

相模庭苑株式会社 神奈川県

優秀賞 2作品

次は優秀賞です。各カテゴリーごとに2作品が選ばれます。

誘いの季

まずは、「 有限会社 あかざ」の「誘いの季」です。

コンセプト

湖に浮かぶ島々の様子。庭の骨格としての枯木は永遠、そして植物は季節の変化。共に生きる姿と再びの蘇りの世界を表現。
こちらのガーデン、私は一番好きでした。全体の構図が素晴らしいですし、細部の遊び心にワクワクします。大自然が小さな空間に凝縮して表現されているような作品でした。
渓谷を思わせるような枯山水。植栽のバランスが見事ですよね・・・。右下に蟹がいますね。
所々に小人がいます。和装なのがいいですよね~。森の神様でしょうか。
そして是非楽しんでほしいのが、下からのアングル。しゃがんで、奥をのぞきこむとまるで深い森の中にいるような気がしました。
ずっと観ていると、次々に発見がある楽しい作品でした。そして自然を箱庭に表現するこの技術、憧れます!!

命脈 ~絶えることのない命のつながり~

次はなんと学生さんの作品です。 「東京農大造園科学生庭師集団」の「命脈 ~耐えることのない命のつながり~」

コンセプト

素晴らしいキャスト(木々)たちが空間を構成し、生命の偉大さを表現。当たり前にある自然に感謝する心をあなたも感じてみては?
土塀に囲まれた庭。思わずのぞきこみたくなる仕掛けです。
私は千葉大学園芸学部の出身なんですが、正直悔しいです!昨年「日比谷ガーデンニングショー」でも農大の造園科が賞を取っていました。そちらもコンセプトのしっかりした素晴らしい作品でした。それに引き換え千葉大学・・・。
私が入学したころは、造園と言えば千葉大と言われていましたが、今は完全に抜かれているんじゃないでしょうか。こんな優秀な学生の皆さんがこれから業界に入ってくるのであれば、将来に希望が持てそうですね。
私も千葉大出身者として、負けないように頑張らなくては!と思いました。

奨励賞 3作品

次は奨励賞です。各カテゴリーの中から、3つの作品が選ばれます。

古民家の庭から ~蘇る時を夢見て~

「株式会社 一葉」の「古民家の庭から ~蘇る時を夢見て~」です。

コンセプト

半壊した築150年の古民家を釜戸を据えた庭の小屋に作り変え、癒しと交流の空間にする事。実現したい「古民家の庭」を創ります。
こちらは「誘いの季」に続き、大好きな作品です。ちょうどデザイナーさんが会場にいらしたので、お話を伺いました。
静岡県の熱海と三島の間くらいの場所にある、「丹那盆地」という場所にある古民家を株式会社一葉さんが預かり、再生工事をしている最中だそうです。今回のショウガーデンにはそこから、部材を取り寄せ新たに小屋を造ったとのことでした。あと1~2年ほどを目処に再生させ、カフェやショップをオープンする予定だそうです。できあがったら是非訪ねてみたいですね。
古いものってどうしてこんなに魅力的なんでしょう。時間だけが作り出せる味わいがたまりません。私は40代なので、釜戸のある台所は知らないんですね。でも不思議と懐かしい。とてもあたたかい作品でした。
 
勝手口の奥にはどんなお庭があるのでしょう。
やさしい表情のおじぞうさまがいらっしゃいました。苔むした雰囲気がいいですよね~。
   

new style living nostalgie garden

次は 「neo+mohey with builder’s」の「new style living nostalgie garden」です。

コンセプト

様々なものにとらわれない新しいだけでなくどこか懐かしさを感じるstyle. neo+mohey with builder’sが作る新機軸。
大判のタイル、シャープなパーゴラに絡まる植物のコントラストが素敵です。水鉢や面白い葉のヤシ?の使い方もかっこいいですね。
neo+mohey with builder’s 神奈川県横浜市 090-4241-4289
HP、SNS等が見つけられず・・・。

Fun Time 楽しい時間

「有限会社 清水工業GARDEN」の「Fun Time 楽しい時間」です。

コンセプト

Fun TimeはMy Garden Time 心から癒されそっと救ってくれるやさしい時間。人生の中で出会えて良かった!!
こちらもいかにもバラとガーデニングショーという雰囲気の、花でいっぱいのロマンティックなお庭です。近くにガーデンショップ、カフェがあるので、ガーデンショウの帰りに寄ることもできるみたいですよ。
 
こういうお庭、単純に憧れます。ティーパーティしたいです。

入賞 9作品

残りの9作品です。

薔薇山水 東京農大ブラザーズ

 

東京農大ブラザーズ 東京都

緑浴

 

株式会社 ランドコア

森の週末

 

有限会社 季織苑

The Fairy’s Gift

Y’s green 茨城県(HP見つけられず)

庵の源

庭祥 清水庵 東京都

Low maintenance garden

LITTLE ROCK HILLS 北海道

私達の古い家

 

Studio Kyoryu 東京都(HP見つけられず)

あたしのにわ

株式会社 義乃宇 東京都(HP見つけられず)

隠れ家的ツリーハウスのある庭

  

佐藤海都(中央工学校)

国際バラとガーデニングショウ コンテストガーデンレポ まとめ

2018年のショウガーデンも素晴らしい作品ばかりでした。設計したデザイナーさんがブースにいらっしゃる事もあります。庭のデザインだけでなく、植物の組み合わせなど相談に乗ってくださいますよ。ぜひ足を運んでみてみてください!

(おまけ)

会場は熱気むんむんで熱いので、半そでで行きましょう~。水分も忘れずに。お手洗いは、駅のトイレで済ませてからいくのがおススメですよ。では!